[概論] 論理的思考ってどうやるんですか?
はじめに
「論理的思考」ってどうやってやるんですか?って、たまに聞かれることがあります。
「仮説思考」であったり、「MECE」であったり、「ロジックツリー」であったり、「データドリブン」であったり、いろんなキーワードも含めて言われるものだから、「論理的思考」っていうのがなんとなく重要っていうのがわかるけど、本質はよくわからない。
そもそも例をあげた「MECE」と「論理的思考」ってどういう関係性なのかもよくわかんない。っていう人も多いと思います。
ということで、とりあえず、簡単に説明しようかなと思います。
論理的思考の本質
論理的思考の本質は、「事実とデータに基づいて、二つの事象の関係性を説明できる」ということです。
例えば「A」と「B」っていう事象があって、「A」だから「B」っていうことを「きちん」と説明できることを、「論理的思考」っていいます。
例えば「売上が落ちているコンビニ」があり、その原因を考えるとします。
結果として、主たる原因が「競合店の出店」とします。(別にそれが「本部の不祥事によるイメージダウン」でも「周辺大学の生徒減少」でもなんでもいいんですが。)
「競合店の出店」→「売上が落ちている」この二つの関係性が合っていればOKっていうわけじゃないんです。水晶玉で占ってでた結果が仮に正しかったとしても、それは論理的思考ではありません。
その二つの事象の関係性を「納得度高く説明できること」、これが論理的思考なんです。
例えば、競合店の売上を調べるとか、客数を調べるとか そういった「事実」「データ」があって、その二つの関係性を納得度高く、説明することが可能になります。
これが「論理的思考」です。 シンプル。二つの事象の「因果」を説明できること、それが論理的思考です。
あっちの事実とこっちの事実があって、その橋渡しがしっかりできること、それが論理的思考です。
これ以上でも、これ以下でもありません。
もうちょっと疑ってみよう!という心の声(クリティカルシンキング)
論理的思考っていうのは、基本的にその関係性の説明のことなんですが、周辺の概念の説明も追加でしてみます。
その二つの関係性を説明するデータがでてきたとして、「それを疑ってみよう!」っていう考え方が、所謂「クリティカルシンキング」ってヤツです。批評的な考え方。
疑わしいポイントを自分で突き詰めることで、より強固な理由づけがでてきます。鉄は叩けば強くなる理論ですね。
「それ本当かなー。違うんじゃないかなーっ」て考えるのが所謂クリティカルシンキングなんですが、私は昔は頻繁に「お前マイナスにもの考えるな!」って怒られたんですよね。(遠い目。。)
グロービスのサイトには以下のように書かれています。
クリティカルシンキング
クリティカル・シンキングとは、健全な批判精神を持った、客観的な思考。 具体的には、論理思考と、思考の効率を上げるための方法論(テクニックやフレームワーク)、そして正しく思考するための姿勢(心構え)を組み合わせることにより、「物事を正しい方法で正しいレベルまで考える」ことを目的とする。
難しくいえばこういうことですし、簡単にいえば、「他人につっこまれる前に、自分で突っ込んで直しておいたほうがいいよ。」っていうだけです。その自分自身にちょいちょいツッコむ癖を「クリティカルシンキング」っていいます。
可能な限り、全部の可能性を考えよう(MECE)
次は、MECE。私は「ミーシー」って発音しますけど、「ミッシー」って発音する人もいますね。とりあえず「MECE」って表記しますので、お好きな読み方で。
例えば、「A君には彼女ができない」とします。この原因をいろいろ考えるのですが、けっこうたくさんあると思うんですよね。
- 話がつまらない。
- 顔が良くない。
- スタイルが悪い
- 洋服の趣味が悪い・もしくは着てない。
- その他いろいろ
こういった選択肢・可能性を適切に洗い出すことが、課題解決には重要なんですが、これを適切に洗い出すこと、もしくは適切に洗い出された状態を「MECE」っていいます。
「適切な選択肢を用意する、できる。」っていうのは、もう課題解決の本質なので、大事ですよね。
まとめると偏りだったり粗がわかりやすいよ(ロジックツリー)
「選択肢の抜け漏れないのか!」って言われても、知らないから抜け漏れちゃうわけで、抜け漏れ自体を認知・自覚できないよなーって思うんですよね。
例えば、「日本全国の麺類」を選ぶとして、いろいろ考えるんですが、「まさか青森に知る人ぞ知るうどんがあったなんて!」みたいなヤツです。認知できない。
そういうときに、大きくグルーピングをしていくんです。
- 小麦粉
- そば粉
- 米粉
- その他
とかでもいいし、
- 北海道・東北
- 関東
- 中部
- 北陸
とかでもいいんですが、そうやってグルーピングしていくと、「あれ、青森の麺類がないな。」とか、「無意識にサンプリングしてみたけど、特定のエリアに偏ってたな。」とか、そういう感じで、選択肢のバランスが調整されていきます。
もしくは思いっきり偏りがあった場合も、「偏りがあるんだなー」って認識できることになります。
こうやって、課題やイシューの可能性や選択肢を繰り返してまとめていくプロセスを、アウトプットの形状から「ロジックツリー」って言われます。
下のほうにいくほど、抽象度の度合いが下がって、上にいくほど抽象度の度合いがあがります。
いろいろ調べんの大変だから、最初にアタリつけとくといいぞ(初期仮説)
論理的思考というのが、事実とデータに基づいて、二つの事象の関係性を理解できる、説明できるとするならば、いろいろな調査をする必要があります。
でも「いやいやデータとか事実とか調べてる時間ないっすよ。」っていうケースがでてくるのですが、その時のために、「最初からこうじゃないかな。この可能性が高いかもな。」ってアタリをつけることを、「初期仮説」っていいます。
まとめ
論理的思考っていうのは、基本的に「事実とデータに基づいて、二つの事象の関係性を説明できること」です。
- あんまに簡単に信じるなよ。っていう考え方がクリティカルシンキングで、
- 可能性全部しっかり洗い出せよ。っていうのが、MECEで、
- 可能性洗い出すとき、まとめていったほうが考えやすいぞ、っていうのがロジックツリー。
- いろいろ調べんの大変だから、最初にアタリつけとくといいぞ、っていうのが初期仮説
皆さん、難しくいうけど、基本はこんな感じです!
- 1(ここで語られる)「企画」はどのようなものなのか。
- 2企画に関する誤解
- 3改めて「企画」というもの
- 4企画に関する登場人物整理
- 5課題とはなんなのか
- 6「課題」発見の手順
- 7「課題」発見における、「目的」の重要性
- 8コンセプトの簡単な見つけ方
- 9企画を説明するプロセス
- 10企画における「目標」と、「ユーザー体験」
- 11「あったほうがいいかも。」という呪い
- 12「アイデア」の選びかた
- 13データが現す「過去」と、企画が考える「未来」
- 14「白」か「黒」、あるいはその「中間」という選択
- 15世界は単純なのか、複雑なのか。
-
16[概論] 論理的思考ってどうやるんですか?
- 17私たちは解決方法を見つけてしまう
- 18アイデアの価値
- 19神は細部に宿るのか。
- 20「抽象化」を考える
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