よくある企画の進め方

他の人の「企画の進め方」を見ていると、 企画の進め方には、 いくつかの形があると考えています。(当たり前ですが。)
 

「機能」 主体の企画方法

その中で、人気の方法は、「いま人気のサービスで、こんな機能があるんです。」とか「こんな機能があったら便利です。」といった考えから、スタートする方法です。
 
私はこれを、まず機能ありき、という発想方法で「機能ドリブン」の企画って呼んでます。(ごく個人的に呼んでるだけですが。)
 
実際のところ、80%位の企画の進行は、私がいうところの「機能ドリブン」で進めているように見受けられます。
 
 「課題」主体の企画方法
 
もう一つの方法は、「これが一番の問題だ」という、「課題」からスタートする企画進行方法です。この場合は、「どんな機能がつくか」とかは、一旦どうでもよくて、「課題」をいかに解決するか、にスコープを当てる方法です。
 
ちなみに、私は、この進行を「課題ドリブン」の企画進行と呼んでいます。
 
 
「課題ドリブン」の企画進行は残りの2割程度でしょうか。いずれにせよ、あまり一般的ではないように思います。
 

機能ドリブンの企画進行の陥りがちな罠

 
大人気の「機能ドリブン」ですが、この方法で企画進行を行った場合に、陥りがちな問題があります。90%の確率で落っこちる落とし穴」と言ってもいいです。

 
簡単に言えば、この進行方法は「機能が過剰になる」という問題を内在しています。
 
 
「新しい車を考える」という例で考えてみます。
 
例えば「荷物は沢山つめるほうがいいですか?」って聞かれたら、「そうですね。」って回答する人が多いと思います。
 

同じく「高級感のある内装のほうがいいですか?」って聞かれたら、これも「そうですね。」って回答しそうです。
 
「人が沢山のれるほうがいいですか?」とか「最高スピードは早いほうがいいですか?」とかもそうですね。
 
こう考えて行くと、制約条件等が無い限りは、あらゆる機能が「あってもいい(あったほうがいい)」というポジションになっていきます。
 
仮の話ではありますが、あらゆる機能が追加されていくと、馬鹿でかくて、だれが何に使う車だろう。っていうような車になってしまいがちです。
 
それよりも、「荷物はあまりつめないけど、早くて、かっこいい」車だったり、「頑丈で荷物が沢山つめる車」だったり、「誰のための車」か明確な車のほうが、企画としてエッジが立ってくるのです。
 
 

「あったほうがいいかも。」という呪い

 
「機能ドリブン」の企画進行では、「あったほうがいいかも(あってもいいかも)」というアイデアに対して、対抗する術をもちません。
 
前述のように、基本的に何か「機能」というのもは、「あったほうがいいか、ないほうがいいか」って質問したら、あったほうがいいって答えるに決まっています。
 
実際、機能ドリブンで企画を進めることと、多くの場合失敗をしてしまいます。どうしても、過剰に機能が付くということを避けられないからです。
 
 

まず「課題」ありき

 
まず「課題」ありき、という「課題ドリブン」で企画を進める形で進めると、例えば、「この機能があったほうがいいかも」という話になったとしても、「「課題」を解決しているか、否か」という判断ができるので、取捨選択を行うことができます。
 
受験勉強生が、「英語の勉強をしたほうがいいか?」「社会の勉強をしたほうがいいか?」っていったら、「両方したほうがいい」って普通の人は思います。

でも、ここで「英語の点数がめちゃめちゃ悪い」という「課題」を設定するだけで、「社会の勉強は関係ないのでおいておこう」っていう判断ができます。これも、課題ドリブンです。
 
 

「これ無いと成り立たないか」という思考

 
個人的には、機能を沢山追加していく形の一番の問題点は、「何が最も重要なのか」という企画の芯が不明確になることです。
 
企画の芯が不明確になると、「どの方向性に企画を強化したらいいのか」という方向性がわからなくなっす。
 
この芯が曖昧になってくると、迷走したり、全方位型のだれにも好かれない企画が誕生することになります。
 
「この機能があったら便利か?」というのは良くない問いで、「この機能がないと成り立たないか?」という問いに残った機能を芯に据えて、企画を検討したほうが良いと思います。
 
 それが企画というものを、先鋭化させますし、良い企画に到達することができるのではないかと考えています。
 

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